JAPAN TEXTILE CONTEST 2021 最終結果(学生賞②)

2021.11.01 お知らせ

 ジャパン・テキスタイル・コンテスト2021

学生の部

  

シーズ賞

かくれんぼ

新屋 凛 東京造形大学

銘仙の柄として長く日本で親しまれてきたほぐし織とプリーツ織を組み合わされた着眼点発想力を高く評価致しました。
仮織した後に捺染して解し、再度製織するという大変手間のかかったテキスタイルだと思いますが、それ相応のものに仕上がったのではないかと思います。
今後も新屋さんが日本の繊維産地で培かわれてきた技術を使わせて頂き、創作活動を留続けられることを願っております。
おめでとうございます。


審査員 国際ファッション専門職大学 篠原 航平

素材  RA=75%,W=12.5%,C=12.5%

 

夕方、海へ

全 敏 文化服装学院

日常の何気ない記憶に残る景色をテキスタイルで表現したノスタルジックな作品に心を惹かれました。
天然染料の深みのある情緒豊かな色合いのグラデーションは〝夕焼けの空が海に移る景色〟を見事に表現しています。
自然由来のものからパワーをいただきそれを身に着けることの心地よさを感じ癒されました。


審査員 ㈱オンワード樫山 松田 博子

素材  W=100%

 

ARIMATSU

富田 真央 武蔵野美術大学

コンテストに出品される作品のほとんどが平面の中で本作品は、テキスタイルの立体的な表現の可能性を示していました。
また有松絞りを含む数多くの伝統技法を後世に広く伝えるためには、現代性と市場性を組み入れたデザインが重要なポイントとなります。
本作品は2種類のメッシュ素材を重ね合わせることでテクスチャと色彩の新鮮な印象を与え、日常生活に向けたプロダクトとして発展の可能性を高く評価しました。

審査員 ㈱CFCL 高橋 悠介 

素材  Pp=100%(網戸),ポリエチレン=100%(棒ネット)

 

May the world be peaceful

西川 弥斗 信州大学

繊細なジャカード織りで表現された世界地図がユニークで目を引きました。
よく見ると確かなジャカード技術で70種類以上の伝統柄が繊細にアウトラインを形成し、あえて国境を柄で分けない手法で文化の尊重と協調性を表している部分に西川さんの世界平和を願う熱い想いを感じました。
その高い表現力と着眼点を評価させていただきました。
今後の西川さんのご活躍を期待しています。頑張ってください。


審査員 ㈱オンワード樫山 松田 博子

素材  Pe=100%

 

金属

半戸 朱莉 杉野服飾大学

本作品は、同じ染料で染めることにこだわり、年々注目さてる草木染の表現の可能性を追求したポイントを高く評価しました。
からみ織によって糸一本一本の表情を際立たせるところと、平織りによってメランジ風に見せるところを上手にコントラストとして表現し、また全体的に軽く仕上げているあたりにセンスを感じました。

審査員 ㈱CFCL 高橋 悠介

素材  R=100%

 


細井 海亜 名古屋学芸大学

まず作者の発想の視点に興味を持ちました。日常にあるふとした場面に存在している様々な魅力をしっかりと掴み取る力を感じます。
折り紙を開いた時に残る折れ線から始まり、板染め絞りと折鶴を掛け合わせる思考も非常にクリエイティブです。
そしてそれを25点製作しクチュール的に縫い合わせた点も発想の柔軟性を感じます。
本当に新しいものは新しいプロセスで作られることがほとんどです。今後も様々な点から美しいものユニークなものを発見し、デザインに落とし込んでいって頂きたいと思います。

審査員 ㈱AKIRA・NAKA 中 章

素材  C=100%

 

Coffee and Cigarette

孟 潤鎬 文化服装学院

非常にアーティザナルな空気を帯びた色彩表現に突出したセンスを感じました。
天然染料で染めた時点である一定の表情は作れたと思いますが、そこからもう一歩踏み込んで箔加工と硫黄散布を施した所に作者の強い思いとこだわりを感じました。
色彩の中にちりばめられた硫黄で加工した箇所が膨張しがちな柄を引き締め、同時に独創的なテクスチャーへ引き上げている印象を受けました。
洋服があふれる現代において、人々は商品の美しさと同時にその生産過程やストーリーにも興味をもっています。
このテキスタイルには人々をその両方で魅了する力があると感じました。

審査員 ㈱AKIRA・NAKA 中 章

素材  C=70%,Li=30%

 

vortex

山根 加奈 名古屋モード学園

プリントされた基布に様々な色の絣糸を結び付けられ、独自の色彩、触感、躍動感などを巧みに表現されています。
コロナ禍などで日々移り変わる世の中の状況、そしてその中で移ろいでいく山根さんご自身の感情の渦(vortex)が上手く表現されています。テキスタイルは視覚、触覚などに作用して様々な表現が可能です。
山根さんが今後もテキスタイルの世界で様々な創造をされていくことを願っています。
おめでとうございます。

審査員 国際ファッション専門職大学 篠原 航平

素材  Pe=100%

 

光絵(HIKARIE)

吉村 源太郎 名古屋学芸大学

刺し子という伝統的なテキスタイル技法にリフレクター糸を目立たないようグレーで配置し、現代的でスポーティな印象を作り出しているポイントを高く評価しました。
本作品を用いて自転車用ブルゾンなどを作ると、浮世絵モチーフが隠れたアクセントになるユーモア溢れた、アーバンライフの機能性を伴った服ができそうだなと想像しました。

審査員 ㈱CFCL 高橋 悠介

素材  C=85%,Li=15%

 

サンゴ白化

汪 品 雅 多摩美術大学

本作品は、数あるコンテスト出品作品の中でひときわ存在感を放っていました。
(作品テーマに相反してサンゴの生命力を感じさせる)作品自体の分量感と立体的の強いエネルギーから作者の高い創作意欲を感じ取り評価しました。
面白いテクスチャ表現への探究心も好感が持てました。

審査員 ㈱CFCL 高橋 悠介

素材  W=100%

 

 

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JAPAN TEXTILE CONTEST 2021 一般の部 上位賞

JAPAN TEXTILE CONTEST 2021 一般の部 優秀賞

JAPAN TEXTILE CONTEST 2021 学生の部 受賞作

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JAPAN TEXTILE CONTEST (JTC)過去の受賞作品

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テキスタイルのクリエーションの顕彰を通して「次代のテキスタイル産業を担う人材の発掘・育成」、「テキスタイル産業における技術力、デザイン力、マーケティング力の強化」を目指しているジャパン・テキスタイル・コンテスト、その歩みは、1991年開催の「国際ファッション&テキスタイルウィーク'91―FATEX '91」に遡ります。
それから12年後の2002年、ジャパン・テキスタイル・コンテストは、装いも改め、新たなスタートをきりました。