interview with
(公財)一宮地場産業ファッションデザインセンター
人材育成コーディネーター 野田隆弘
インパナ塾はどのような事業ですか
「インパナ塾」の「インパナ」は、イタリア語の「インパナトーレ」が語源と聞いております。 すなわち、「繊維産業の最初の工程から最終工程の縫製、小売り業界までを見通し、そして新製品開発を生み出す能力にあふれた方」を意味しています。
このような能力を育てるような事業を目指しております。
いつから始まったのでしょうか
この塾は平成17年度より始まり、今日に至っております。 令和3年度までの修了者の人数は約280名で企業の事業主、経営の中枢に位置する方をはじめ、多くの修了者は尾州産地で大活躍しておられます。
事業の目的を教えてください
繊維産業の最初の糸を作る工程からから終りの洋服を作る工程までの道のりは長く、様々な業種から成り立っています。 このインパナ塾で繊維の基礎からファッション・アパレル製品の製作まで学ぶことにより、インパナトーレに相応しい人材を育成することを目的としております。年齢、過去の経歴は問いません。
1年間の大まかな流れを教えてください
5月から翌年2月まで土曜日を中心に約30日間、午前10時30分から午後4時10分まで座学を履修します。実習、インターンシップも行い、これらは平日の金曜日などに開講しています。
研修生にとってはこれまで現場で習得した知識・情報・スキルの再確認、新しく知った情報、もしくは情報知識のブラッシュアップ、学び直しを図ることができる、リカレント教育であります。
もう1つ忘れてはならないことは研修生はほぼ1年間通して同じ会場で受講することにより、研修生相互の交流が生まれ、いわゆる繊維の世界の異業種交流を図ることができます。 この交流はインパナ塾修了後も継続していると聞いております。 他社であたりまえのことが自社では新鮮に、その逆の自社で当たり前のことが他社では新鮮に映ります。
修了者からの反響はいかがですか
繊維のみならず、ファッションに関してまで「深く・広く」学ぶことができたとの声や、 今後の仕事をしていく上で物事のとらえ方や考え方、新しいアイデアの創出につながる内容であったとの声をいただいております。
講義の内容以外でも、インパナ塾を受講しなければ出会えなかったかもしれない他社の方々とつながりを持つことができ、今後の自分にとっても財産になるというお話もいただいております。
学んだ知識をフルに活用して、歴史ある尾州のものつくりを衰退させずに若い力で盛り上げていきたいと意気込む修了生もおりました。
これからの産地を担う若手にメッセージをお願いします。
某先人は「ものつくりは人つくりである」「ものつくりの前に人をつくれ」と述べております。 良いものを作るには良いヒトが求められる。 人つくりが肝要であります。
修了者の声は「他社の方とのつながり」「物事のとらえ方・考え方」「若い力で尾州を盛り上げよう」とまとめられます。 皆さんが将来を展望して盛り上げていく、そして尾州の星を目指していただきたい。 星になれば北半球の68億人の方に尾州の活躍を知っていただくことができます。