インパナ塾

IMPANNA SCHOOL

(公財)一宮地場産業ファッションデザインセンターでは、繊維産業人材育成事業の一つとして、「尾州インパナ塾」を開講しています。
関連する大学、あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター、FDC 匠ネットワーク等と連携を図り、産地の将来を担う人材の育成を目指しています。
紡績・撚糸、企画・製織、染色・仕上からなる繊維工学、ファッション・デザイン工学、マーケティングの座学、実習、工場見学に加え、
卒業制作としての試作開発実習を実施します。

尾州インパナ塾試作開発作品

IMPANNA SCHOOL PROTOTYPE

今年度は令和3年5月8日から令和4年1月まで29週にわたり開催しました。

  • グループA

    GroupA

  • グループB

    GroupB

  • グループC

    GroupC

グループA

GroupA

色コンセプト ニュアンスカラー・LGBTフリーとした。秋から春先まで着られるカラーを選択。
ターゲット層 20~50代
番手 2/28
生地データ 密度たて:62本/10㎝ よこ63本/10㎝ 目付:387g/㎡
混用率 毛:94% ナイロン:6%(接結糸)

生地制作意図

オールジャパンをテーマにジャパンウールを使用(ジャパンウール100%の魅力)した。Jシェパードというクリンプの豊かさが特徴の糸を使用することで暖かい素材の加工が可能である。糸は森保染色(株)でチーズ染めを行い、天竺サイドはあまり効果が得られなかったが、霜降り染めを狙った。グレンチェックの色使いは男女関係なく着用できるユニセックスとし、汎用性を意識した色を採用した。糸のバサバサ感や硬さ、編みの粗さをカバーするため起毛を行い、柔らかさと軽さ、暖かさを追求した。生機の精練を日本化繊(株)で行い、縮絨を行うことで毛羽をもみこみ、さらに木曽川染絨(株)で起毛工程を行った。ピリング対策でシャーリングを行い、編みの粗さを無くすため蒸絨機で押さえた。

製品制作意図

インパナ塾の歴代ガーメントがドレス寄りの製品が多く、もう少しカジュアルに着られるものを作りたいと思い、オーバーサイズのジップアップパーカーを企画した。生地面も粗い原料をいかに軽さと温かみを感じながら、着やすくできるかをポイントに考えたのでデザイン面ともマッチした仕上がりになっていると思われる。年齢やLGBTに関係なく、幅広くボーダーレスに着てもらえる用にデザインを考えた。

試験結果

ピリング試験:JIS LI076 3.5級
保温性:JIS LI1096 8.27.A法 保温率 52.5%(起毛無しの場合 50.8%)
プレス収縮率:JIS 1096 8.39c)プレス 処理方法 H-2法 たて:-1.5% よこ:-1.5%

グループB

GroupB

色コンセプト ニュアンスカラー・LGBTフリーとした。秋から春先まで着られるカラーを選択。
ターゲット層 30~40代
番手 2/28
生地データ 密度たて:202本/10㎝ よこ187本/10㎝ 目付:293g/㎡
混用率 毛:100%

生地制作意図

今回利用する糸【J.SHEPHERDS】は日本各地の羊飼いが丹精込めて育てた羊毛を集めて紡績した糸です。ここに込められた全ての生産者への畏敬の念を表すため、ウールの良さを生地で表現したいと考えました。タータンで尾州を表現したいと考え、地域の特色を色で表し、「尾州タータン」と名付けました。タータンの柄は、目的や用途によって幾つかの種類に分けられています。地域に関係したタータンをディストリクトタータンといい、尾州という地域に根ざしたタータンを目指しました。タータンは意匠(デザイン)として優れており、衣料品やアクセサリーはもとより、包装紙、ショッピングバッグ、ポスター、バナー等において展開でき、「尾州」を表現し、産地をアピールすることができます。色使いは、ベースに雄大な濃尾平野を濃淡グリーン、木曽川の豊かな水をブルー、農産物の実りをイエローで表現しました。差し色で一宮市の花の桔梗、羽島・江南・津島の藤をイメージしたラベンダーを入れました。紳士ものですが、良い着心地にこだわり、また見た目を暖かみのあるものにしたいと思い、縮絨し、両面を軽く起毛して柔らかみとウォーム感を出し、膨らみを出すためにシュランク仕上げにしました。

製品制作意図

秋から春の3シーズン着用できるように、又、カジュアルからフォーマルまでコーディネート次第でシーンを選ばず着用できるジャケットコートにしました。デザインのポイントは、柄がクラッシック調になるのでデザインはあえてシンプルに、襟はカラーレス、そしてボタンを隠すというミニマルで洗練されるようこだわってみました。ただ、シンプルになりすぎるためボタンホールの糸はチェックの中の一色を使用し、遊び心を出してみました。

試験結果

寸法変化率:JIS L1096 H-2法 (%) たて:0.1% よこ: 0.4% JIS L1096 C法 (%) たて:-0.8% よこ: -0.4%
ピリング:JIS L1076 A法 (級) 4-5 毛羽立ちあり

グループC

GroupC

色コンセプト 紺とグレーの混色
ターゲット層 フリー
番手 たて: 2/48 TOP染 100% よこ:2/28、2/48(TOP染)、2/6(ロービング)
生地データ 密度たて:236本/10㎝ よこ220本/10㎝ 目付:280g/㎡
混用率 毛:100%

生地制作意図

原料は2/28 J.SHEPHERDS、英国羊毛のような風合い、2/6 ロービング、意匠性。組織は緯糸のカットジャガード部分停止。織り方はグランド緯2重、水色部分は緯朱子、白色部分は「部分停止」技法。加工はタンブラー・ワッシャー仕上げ。柄はオリジナルの星柄を求めて切絵で星柄を作成したが、見た人によって様々な解釈がある柄になった。色目はゴッホの「夜のカフェテラス」の夜空をイメージした。経糸に濃紺、緯糸に水色とグレーを用いて微妙な夜空の色を表現した。特徴は経糸で柄を縁取り、整理仕上げすることで立体感が生まれたこと。裏面には「よろけ皺」が生まれた。

製品制作意図

表裏の表情差を利用して、大胆に柄を切り替えることで、色と柄の面白さを最大限に活かした。また、オーバーサイズとし生地面積を増やすことで、よりインパクトが出る製品に仕上げた。フリーサイズなので男女問わず着用できる。柄はあえて何柄とは決めずに、見た人の感性に委ねた自由性がある。テキスタイルも服も世の中にあまり見かけない挑戦的なものに仕上げた。

試験結果

寸法変化率:プレス処理法JIS L1096 8.39 C)プレス処理方法 H-2 方法 たて:0% よこ:-0.5%
滑脱抵抗力:JIS L.1096 8.23.1 B法 たて方向:1.4mm よこ方向:5.7mm