インパナ塾

IMPANNA SCHOOL

(公財)尾州ファッションデザインセンターでは、繊維産業人材育成事業の一つとして、「尾州インパナ塾」を開講しています。
関連する大学、あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター、FDC 匠ネットワーク等と連携を図り、産地の将来を担う人材の育成を目指しています。
紡績・撚糸、企画・製織、染色・仕上からなる繊維工学、ファッション・デザイン工学、マーケティングの座学、実習、工場見学に加え、
卒業制作としての試作開発実習を実施します。

尾州インパナ塾試作開発作品

IMPANNA SCHOOL PROTOTYPE

  • グループA

    GroupA

  • グループB

    GroupB

  • グループC

    GroupC

グループA

GroupA

色コンセプト 暖かみを出すため、トップ染めにレンガの色を選んだ。老若男女問わず、ジェンダーフリーで着用できるグレーでオーバーダイした。オーバーダイする事で先染め単体では出せない深みを表現した。
ターゲット層 フリー、ユニセックス
番手 グランド:1/48 防縮ウール
ライン:1/60 非防縮ウール
カラー:1/48 水溶性ビニロン
生地データ 密度 ウエール:170 本/10cm コース:108 本/10cm 目付:316g/ ㎡
混用率 ウール:100%

生地制作意図

尾州伝統のウールで風合いと外観を重視することをテーマに、「ウール」・「防縮ウール」・「水溶性ビニロンで撚りを戻したウール」の3種類の糸を使用したニットを製作した。非防縮ウールでは、Z撚りのなま糸に対して水溶性ビニロンをS撚りで撚糸することでなま糸の撚りを戻し、これにより縮絨加工/起毛加工を施すことで暖かみのあるソフトな肌触りを狙った。起毛後にはピリング対策で剪毛し、柔軟性や帯電防止を目的にシリコン系樹脂や高分子系樹脂を相溶し塗布した。また、あらかじめレンガ色したトップ染の防縮ウールにグレーをオーバーダイすることで奥行きと深みのある色彩表現を施した。

製品制作意図

今までのインパナ塾の作品は無地のものが多く、テキスタイルをデザインしたものが少なかったので、面白さを出した柄をデザインしようと思った。また、縫製時の柄合わせを考えストライプ柄を使用し、防縮と非防縮を両方活かせるようなドット・ライン・流れのある柄を取り入れた。両上前※で着ることができる男女兼用のダブルボタンのジャケット仕様でもあり、起毛により暖かさもあるので、コートとしても着ることができるデザインにした。
※左右どちらでも上前にできること

試験結果

ピリング:JIS L 1076 5 級 毛玉落ち 有(小) 毛玉乱 無
寸法変化:JIS L 1096 8.39 プレス処理方法 H-2 法 たて:-1.0% よこ:-1.0% JIS L 1930 C4N たて:-5.0% よこ:-1.5%

グループB

GroupB

色コンセプト ネイビー系
ターゲット層 30~40代
番手 たて:2/72 よこ:2/30、1/14
生地データ 密度 たて:367 本/10cm よこ:240 本/10cm 目付:279g/ ㎡
混用率 ウール:100%

生地制作意図

トラックジャケットを作成目標としていた為、尾州の特長であるウールの織物を用いながらジャージーのようなしなやかさを出したいと考えた。たて方向は高密度でふっくらと綾目が出るよこ二重組織で、1柄の大きさはたて33本×よこ33本という大きめな組織を用いている。3種類の糸を使用しており、裏側のよこ糸にはスーパー120のウールを使用し、より柔らかな風合いになるように素材を選定した。また、表側はたてとよこで色を変え、奥行きのある見え方を目指した。裏側は表よりも明るめのブルーグレーでアクセントになるよう工夫した。生地の加工については、表はクリア仕上げで組織の立体感を活かし、裏は起毛を行うことによりソフトな風合いとし、製品にした時に裏側をそのまま利用できるよう仕上げた。

製品制作意図

日常生活に使い勝手が良い、春先や秋口のアウターとして着られるトラックジャケットを目指した。デザインは、装飾が少な目のシンプルなものとした。また、出来上がった生地の柔らかさと肌触りの良さを活かす傍ら、製品の型崩れなどしないよう、できるだけ制作した生地を用いて厚みや補強を行った。

試験結果

ピリング:JIS L1076 4,5 級
寸法変化:JIS L1096 H-2 法 たて:-1.7% よこ:-0.2%

グループC

GroupC

色コンセプト パステル調の赤黄青を使用し、流し染めをすることによって多彩な色を表現一点一点色の出方が変わるオンリーワンカラー 一点モノのジェンダーレス
ターゲット層 30~40代
番手 1/3.2 たて・よこ糸ともにモヘアループ
生地データ 密度 たて:40 本/10 ㎝ よこ:63 本/10cm 目付:375g/ ㎡
混用率 モヘヤ:50% ウール:40%
ナイロン:10%

生地制作意図

東和毛織㈱の大きなループ糸をたてよこ糸に使用し、起毛の加工技術によって毛足の長いシャギー仕上げにした。容易に量産されてしまうモノではなくデザイナーズブランドのようにきちんと個性を持った作品にしようと考えた。パステル調の赤黄青を職人の手によってアーバン染め(流し染め)を施しているため一点一点染まり方が違う、この世に1つだけの面白味のある生地にした。

製品制作意図

前立てと襟の部分を制作生地と類似のウールモヘヤ(ウール73%モヘア27%)のスーツ地を使用。同じ素材でも糸の形状や加工によって全く違う質感のものができるということをこの一着で表現した。セーラーカラーで可愛さを表現し、取り外すことによってシャープな印象を与えるジェンダーレスな製品にした。

試験結果

ピリング:JIS L1076 5 級
寸法変化:JIS L1096 H-2 法 たて:-0.5% よこ:-2.7%