Interview with
名古屋モード学園
茶谷 愛理沙
今回は、ナゴヤファッションコンテスト2022でグランプリを受賞した茶谷さんにインタビューを行いました。
茶谷さんは、今年度(2022年度)の翔工房にも参加いただいております。
受賞作品「EMBRACE NATURE」のコンセプトについて教えてください。
自然への尊さや美しさ、憧れといった気持ちを身に纏い包まれたいという想いがコンセプトです。
花や葉が連なりリズム感のある様子や軽くてふんわりとした温かみのあるイメージを服のデザインに落とし込みました。
自然をコンセプトにした背景を教えてください。
私の生まれ育った町は海や山など自然溢れる場所にあるため、元々自然というテーマには思い入れがありました
そこから、特に興味のある植物に重きを置き、デザインを突き詰めていきました。
今回の受賞作は明るい色調のものになっていますね。
子供の頃から母の影響もあり、洋服が大好きでこだわりを持っていました。
特に華やかでハッピーな印象を与えてくれるカラフルな洋服が好きでした。
そのこともあり、色彩豊かなデザインをすることが多いです。
また、世界の文化に興味があるため、エキゾチックな雰囲気を持つデザインをすることも多いです。
受賞作の特徴を教えてください。
一見、刺繍のディティールで重そうなイメージがありますが、非常に軽やかで歩くと裾が揺れ動く優雅さが特徴です。
明るい印象を与えるイエローと落ち着いたネイビーなどの色合いのバランスの良さも強みだと思います。
製作の中で苦労した点はありましたか。
全身を刺繍で作成したディティールで覆われているため、重たい印象にならないように生地や刺繍の密度調整で悩みました。
さらに、刺繍パーツの重量の関係でシルエットが崩れないように試行錯誤しました。
続いて、翔工房について聞かせてください。
応募のきっかけは何ですか。
昨年の翔工房のコレクションを実際に会場で見たことがきっかけです。
自分でテキスタイルを一から作り上げるという貴重な体験に参加したいと思いました。
翔工房の作品「Cosmos」について教えてください。
宇宙の何があるかわからないという未知のイメージと圧倒される重厚感、星々の煌めきなど宇宙の魅力が詰まった生地を制作しました。
翔工房は、デザイン画を「尾州の匠」見てもらい、それを実際の生地に具現化していく事業です。
デザイン段階の生地の特徴を教えてください。
宇宙の未知のイメージをどんな色があるか分からないという表現にし、暖色、中性色、寒色の揃った色彩にしました。
重厚感がありつつ美しく見えて、布が波打つことで色が変化して見える表現に挑戦したいと思いデザインしました。
生地製作の過程で苦労した点はありましたか。
糸を選んでいる中で色の変更が大きくありました。
元々、ビビッドではなく少し白が入ったような色合いを考えていましたが、インパクトにかけてしまいました。
そこで、ビビッドな色彩を中心にすることで、宇宙の壮大なイメージを持たせることができました。
デザイン段階と実際の生地で違いは出てきましたか。
匠講師と相談し、どんな表現が可能なのか不可能なのかを知ることができました。
最初のデザインから色を大きく変更し、それに伴い全体のイメージも変化しましたが、揺れ動いた時に出る色彩の変化が色相に差がある方が見応えがありコンセプトに沿った重厚感あるデザインになりました。
最後に、将来の夢を教えてください。
服を作ることが好きなので服飾業界に進み、より成長していきたいと考えています。
パターンやテキスタイルへの知識を深めて、最終的にはデザイナーとして活躍したいです。