interview with
愛知県繊維染色工業組合
理事長 苅谷 知克
組合の強みや特徴を教えてください
さまざまな染色形態(チーズ、かせ、かすり、製品、原料染め)があり、素材(天然繊維から合成繊維、化学繊維など)を選ばず、「なんでも染められる」染色工場の集まりです。
また、一宮を中心とした尾州産地は、繊維関連の企業(糸商、撚糸、織物、修正等)が周辺に多く存在しているため、一貫した工程が可能であり、物流コストも抑えられるという点も大きなメリットとなっています。
小ロットでの受注にも対応し、小回りもきくというメリットもあります。
木曽三川の豊富で良質な水資源と「特水」という全国でもまれな汚水処理システムがあり、環境問題の観点からも他産地にない強みとなっています。
組合の現状について教えてください
令和4年7月現在で組合員企業は24社です。染色形態別に見ると、チーズ染色が14、かせ染色11、かすり染め6、原料・製品染5(重複あり)となっており、様々な染色方法に対応しています。
最近では、染料・薬品の高騰、エネルギーコスト、輸送コストの急上昇で各社貧窮しています。
組合員数の減少にも苦慮しています。
組合の高齢化ついて教えてください
一部事業所においては、従業員の高齢化が進んでいます。後継の人材確保にも苦慮しています。
特に染色前工程(かせ上げ、前巻き等)や染色後工程(コーンアップ、巻き返し等)の業者の高齢化が顕著で、後継者がいない所も多く業者自体が廃業し、年々少なくなっています。
そのため、工程、納期の調整が悩みの種となっています。
そうした状況の中で力を入れていることがあれば教えてください
不要な染料廃棄による環境問題及びコスト低減、BCP対策の一環として、各社の使用染料情報の共有化を検討しています。
また、繊維関係の他組合との意見交換や情報交換を目的とした交流を模索しています。