VAGUE

複合素材

【JAPAN TEXTILE CONTEST 2023 新人賞】

 

企画意図

経緯の規則的な配列から成る織物で、曖昧な表現をすることは難しい。 

今回使用したのは特殊な紡績方法によって作られるウールのネップ糸。不規則にネップが現れ、ぼやける様子が曖昧さを演出する。

白いベースに黒いネップが入ったこの糸に色味を加えるため、先染の綿を撚り合わせた。そうすることで、より自然な色展開が可能となった。その糸を規則的に配列する。これは糸の不規則さを生かした規則的で曖昧な織物。

 

審査講評

織物の中で、曖昧な印象をどう作り上げるかという挑戦を通じて、個性豊かな質感の素材を創り、見事に可視化されています。

特殊な紡績で作られたウールネップ糸への拘りにより、ネップ糸の不規則なボケ感が曖昧さの表現の鍵となっています。従来、表情をつける為に用いるネップ糸を、その表現に織り込むという発想はとてもユニーク。

観る者に新鮮な驚きを与え、その不均一さが、ぼんやりとした雰囲気を醸し出しています。

加えて、高密度に織ることで生まれる控えめな凹凸感とドライタッチな触感がとても魅力的です。

今後も感覚と技法のバランスを大切に新しい可能性を生み出してください。

 

(審査員 村上 容子 RITROVOプランナー/元㈱ワールド/㈱フィールズインターナショナル テキスタイルMD)

 

混率

C75,W25

 

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企業情報

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テキスタイルのクリエーションの顕彰を通して「次代のテキスタイル産業を担う人材の発掘・育成」、「テキスタイル産業における技術力、デザイン力、マーケティング力の強化」を目指しているジャパン・テキスタイル・コンテスト、その歩みは、1991年開催の「国際ファッション&テキスタイルウィーク'91―FATEX '91」に遡ります。
それから12年後の2002年、ジャパン・テキスタイル・コンテストは、装いも改め、新たなスタートをきりました。