・私の仕事
私は、織布課でションヘル織機を稼働させる業務を行っています。
ションヘル織機は高速織機が出来るまで使用されていた旧式の織機です。
高速織機と比べて繊維への負担を極力減らす事が出来る為
手触りの柔らかく風合いのある毛織物を織り上げる事が出来ます。
一方、手作業が多く非効率な為、現在では織機の製造が行われておらず
ションヘル織機を動かすことの出来る職人が減っています。
このままではションヘル織機を動かす事の出来る職人がいなくなってしまう。
そうならない為に、ションヘル織機の技術の継承を意識しながら
日々業務に取り組んでいます。
・仕事のやりがい
ションヘル織機で最高の風合いの生地を生産出来る事にやりがいを感じます。
私は津島の生まれで、幼い頃からションヘル織機を見てきました。
独特の風合いを作れるションヘル織機に魅了され、この織機を扱う事の出来る
仕事に就くのが私の夢でした。
ションヘル織機は一本の緯糸から時間をかけて織り上げる事で
繊維に極力ストレスをかけず生機を織る事が出来ます。
私は、ションヘル織機は風合いを作るという点で
他のどんな織機にも負けないと考えています。
生産効率の良い革新織機が普及し始めており
私の両親の代でションヘルをやめると言われていたので
現在ションヘル織機に携わる事が出来て喜びを感じています。
・業務上のこだわり
ションヘルの技術が途絶えてしまわないよう技術の継承を意識して
業務を行っています。
ションヘル織機は、本来では自動で行う工程を手作業で行わなければならない為
動かすだけでも手間がかかります。納期対応や生産効率化の為ションヘル織機の
ニーズが減っており、若い人にションヘル織機に触れてもらう機会が減っています。
加えて、現在では織機の製造が行われておらず、ションヘル織機の整備・修理等も
自らの手で行わなければなりません。そのノウハウを引き継ぐのに
とても時間がかかります。
課題は多いですが、技術継承の為ションヘル織機の素晴らしさを若い人にも
伝えられるよう意識しながら日々業務を行っています。